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主な睡眠障害

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まった状態(無呼吸)が繰り返される病気です。
中年の太った男性に多い病気ですが、痩せている方にも、女性の方にも、また、小児にも起こる病気です。
  • 激しいいびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気や倦怠感、起床時の頭痛などの症状が出現します。
  • 大人の場合 は、
    高血圧、不整脈、虚血性心疾患を合併することが多くなり、また、日中の眠気や居眠りによる交通事故や産業事故の原因にもなります。
    重症のものを治療しないでおくと、死亡率が高くなるという報告もあります。
  • 小児の場合 は、
    日中の眠気のために落ちつきがなかったり、成長や発達の遅れ、また、助骨や胸骨の変形が起こる場合もあります。

睡眠時無呼吸症候群以外の日中に強い眠気を生じる睡眠障害

日中に繰り返して強い眠気が生じます。
  • 10 ~ 20 分居眠りをすると、さっぱりと目がさめますが、2 ~ 3 時間すると再び眠気が生じてくるというパターンを繰り返します。
  • また、強い情動によって ( 普通は大笑いや怒った時 ) 、手足などの体の力が抜けてしまうという現象が見られます。 この間、意識はしっかりしています。
  • また、寝入り端にしばしば夢を見たり、金縛りを経験したりします。夜間の途中覚醒が増えたりもします。

不眠症 ( 精神生理性不眠症 )

不眠症の方の 約 15% がこの病気であると言われています。

この病気の方は、床につく時刻が近づいてくると、逆に体が緊張し、今日も眠れないのではないかという悪い連想が始まります。

  • 眠ろうと頑張れば頑張るほど興奮して、ますます眠れなくなっていきます。

    ですから、眠ろうとしない時、例えば、テレビを見ていたり、自動車で助手席に座っているときなどには簡単に眠ってしまうことがあります。

眠れなくなった ‘ きっかけ ’ がある場合、それが解消した後も長く症状が続くこともあります。

また、そのような ‘ きっかけ ’ がない場合でも、眠りの質についての心配が何カ月、何年もの間にだんだん強くなって、とうとう自分の睡眠の問題だけに囚われて頭の中が一杯になり、日中の生活においても、気分や意欲の落ち込み、疲れやすいといった症状が起こってきます。

むずむず脚症候群

この病気の方は、眠ろうとして床につくと不快な感覚が下肢に起こり、下肢を動かしたいという抵抗できないほどの衝動にかられます。
  • この不快な感覚は、むずむずする、むずがゆい、ちくちくする、ひりひりするなどいろいろです。
また、この不快な感覚は、下肢を動かすと軽減ないし消失し、動かすことをやめると再び起こり始めるといった特徴を持っています。この一連の現象のために入眠が妨げられます。
中年期以降に発症する場合が多く、また、貧血がある方や人工透析を受けられている方にもみられます。

睡眠中の異常行動 ( レム睡眠行動障害 )

非常に恐ろしい内容の夢を見て、その夢の中で、逃げ回ったり誰かと争ったりしたことはありませんか。
こんな時、はっと目が覚めることはあっても、実際にベットから出て部屋の中を逃げ回ったり、一緒に寝ている人や部屋の家具に殴りかかろうとして目覚めたことはないと思います。
  • これは、人が夢を見ていることが多いレム睡眠という睡眠の時期には、手や足などに力が入らないように脳がプログラムされているからです。
ところが、50歳を過ぎた頃からこのプログラムが変調をおこす病気があり、これをレム睡眠行動障害と呼びます。 夢の内容と一致した行動が実際にできてしまう病気です。
  • 腕をあげたり、わずかに上半身を起こそうといった行動だけの方もいますが、夢の最中に目覚めると、なぜか廊下に立っていたり、手に怪我をしてそばの家具が壊れていたりといったことが起こる方もいます。
なお、小児にみられる夢遊病とは全く違った病気です。

睡眠覚醒のリズム障害が生じる睡眠障害 ( 睡眠相後退症候群 )

入眠する時刻と覚醒する時刻が望ましい時刻よりはるかに遅れてしまう病気です。
  • 典型的な方は午前2~6時にならないと眠れず、このため、朝起きることが非常に困難で、遅刻や欠席を繰り返している場合も少なくありません。
  • 夜型の生活パターンの方が多く、夕方から夜にかけてもっとも能率が上がり、目が冴えてきます。
  • 一旦寝付くとほとんど目が覚めず、遅刻や欠席をしないために睡眠時間が短くなり、週末には9~12時間の睡眠を取って、朝遅く、あるいは、昼過ぎまで寝ています。